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スタッフ募集

測り売りで絵を売る理由

事務局緊急特別インタビュー

アートメーターをはじめたきっかけは?
原点はTシャツオーディションサイト「T-SELECT」
アートメーターを運営する面白法人カヤックでは、2000年から「T-SELECT」というTシャツのオーディションサイトを運営してきました。
このサービスを通して、“プロではなく素人がつくったものを売る”場をつくることができたと思っています。

何かをつくる人たちは、個展を開いたり、作品を紹介するホームページをもったりと、発表する場も自分の手でつくります。しかし、いざつくったものを売りたい!と思ったとき、売る場所つまり、買い手が集まる場所はなかなかありません。

T-SELECTは、ひとつのデザインにつき10枚分の買いたい人が集まれば生産化される仕組みです。つまり、ここでデザイナーという売り手と買い手とのマッチングの場をつくることができました。

「では、これを絵でもできないか?」 そう思ってはじめたのが「ART-Meter」です。
面積で価格を決定する“絵の測り売り”とはユニークな発想ですが?
“出会う場に徹したい!”場に徹するために生まれた仕組みが「測り売り」です。

ふつう、モノを売る時は、売り手(小売)側が商品をセレクトしますよね。
これは、「この価格でなら売れるだろう」とか「このデザインはセンスが良い」とか、そんなことを売り手がまず判断するためです。

それに対して、「T-SELECT」では、“場に徹する”というスタイルで運営してきました。
つまり、デザインの良し悪し、好き嫌いによる選別はしないという方針。

とりわけ好き嫌いというのは人それぞれです。たとえば、毎週集まってくるデザインを10人に見せて、どのデザインが欲しいか?と聞くと、10人とも異なる回答になるでしょう。
であるならば、運営側によるセレクトは行なわずに、作品をつくったデザイナー本人が想いを語り、それを見ていいと思った人がセレクトする“場”に徹するほうがいい。

他の誰かがいいと言ったからとか、これを着ていて他の人にどう見られるか、とか、そんなこととは関係なく、自分がいいと思えばそれでいい、というスタンスです。

そして、“場に徹する”というスタイルは「ART-Meter」も同じ。
誰もが欲しがる絵ではなくても、世の中でたった1人だけ欲しいといってくれる人がいるかもしれない。そんな人と絵をマッチングできれば、その絵にとっても本望ですよね!
だから、「ART-Meter」では、絵の良し悪し、好き嫌いで選別しません。

この方針をとると、運営側で、絵の価格をつけることはできませんでした。
そこで、“透明性があってわかりやすい仕組み”で価格を決めることに。
より簡単な価格決めの仕組みって何だ?と検討した結果、面積になったんです

つまり、“測り売り”という売り方も、場に徹するというコンセプトから生まれてきたわけです。(※1)
一律の価格設定や、絵画、もっと言うならば芸術を測って売るということに
賛同できないというアーティストも中にはいませんか?
そうですね。
自分の絵の隣に、自分の趣味とあわない絵が並んでいることに納得できない人もいるでしょう。また、面積で絵を売るという画一的な売り方に共感できない人もいると思います。

しかし、自分の絵を「いい!」と思って、家に飾ってくれる人に出会える場だとしたら、その売り方でも大歓迎! と思う人もいると考えています。自分の絵が、誰かの人生を豊かにすることができるかもしれないのですから。

絵が欲しいという人は、まだまだ世の中には少ないと思います。どの絵を選んだらいいのかもわからないし、その値段の価値があるのかどうか?はなおさらわからない。
だから買うほうからすれば、面積で決まるという簡単な仕組みはわかりやすくていい。

わかりやすい仕組みじゃないとモノは売れないと思います。
モノが売れなければ、場として成立しない。場として成立しなければ、絵を描いて作品を出してくれる人もいなくなる。もっといえば絵を描く人も減るかもしれませんね。

つくり続けるためには経済的な価値を生むことも不可欠

創造する(つくる)ことは大事だと考えています。
何かをつくることに力を注いでいる人は、人の価値観ではなく自分の価値観でモノの良し悪しを判断できる人だと思います。誰かがいいといったから、テレビがいいといったからではなく、自分自身で、良し悪しを判断できる人が増えれば、より良い社会になっていくのではないでしょうか。
少し論理が飛躍しているかもしれませんが、絵を描く人を増やすこともそこにつながっていくのではないかと考えています。

しかし、何かとお金が力を持ちすぎている時代です。お金にならないことは、続かないけどお金になる可能性があれば続きます。

だから、このような場をつくりたい。
たった1人でもいいから、その絵を買いたい!と言う人がいれば、その絵を描いた人は、つくることを継続できますから。
オープン後の手ごたえはどうですか?作品は集まっていますか?売れていますか?
集まってきていますね。
ただ、つくったものを売りたい!という人の割合に対して、買いたいという人はまだまだ少ない。

これは、当初から予測していたことですが、そもそも絵を買うという文化があまりないですからね・・・・。家に絵を飾る人がいるかといったら、周りを見渡してもなかなかいないと思いますよ。

最近ではインテリアとしてのアートという形で、アートをより身近にしていこうという流れもありますよね。
「ART-Meter」としても、絵を飾ることは、観葉植物を飾るとか、映画を観るとか、音楽を聴くとか、スポーツをするとかと一緒だと思うんです。自分の人生や生活を豊かにする方法論のひとつ。

毎朝起きて、絵を見て、何かを感じて、今日もがんばろう!って思えたら最高だし。何かメッセージが込められていて、忘れていた何かを思い出させてくれたり、疲れて家に帰ってきたらほっとさせてくれたりすることもあるでしょう。

そのため「ART-Meter」では、画家に「応募するときは、絵のコンセプトをしっかりと語ってください!」と呼びかけています。ビジュアルだけをみてメッセージを感じとれる人は少ない。画家からのコメントを読んで、その背景を知ることで、その絵に対する見方が変わると思います。

それに、従来の高額な絵画の世界では、絵は、たとえば、温度や湿度、風通しや直射日光とか、扱いに注意すべきものという見解も確かにあると思います。高額なものですから、それはそうだと思います。でも「ART-Meter」は、もっと身近なところを目指します。

たとえば季節に応じて絵をつけかえたっていいですよね。花と一緒で。
おいしい食事に1万円払うのと同じ感覚で、季節ごとに1万円の絵を買ってつけかえていく。そんな身近なものとして絵を楽しむ市場があってもいいと思いません?
これからのアートメーターと絵画についてのヴィジョンを教えてください。
画家も運営者も購入者も3者がハッピーになるちょうどいいラインを見つけたいと思います。そこに規模の大小は問わない。

今は前述のように購入者がまだまだ少ないので、画家も我々事務局も苦しい状態です。購入者の増加のために、我々も努力していきます。

絵を通して3者がハッピーになれる場をつくりたい!さらにはその場を通してより良い社会にしていきたい!という思いは変わりませんので、無理しすぎて息切れしないように、力をぬきながら運営を続けていきたいと思います。

繰り返しになりますが、1人でも絵を飾るということを通して、人生が豊かになったという人が増えて、「ART-Meter」の仕組みのおかげで絵を描き続けることができたという人がでてくるようになったら、いいと思います。

絵を買ってくれた人が、自分で絵を描いて応募したら売れた!なんてのも面白いですよね。
あるいは70歳すぎて初めて筆を取った方が自分の壮絶な人生を絵にして伝えていくとか
自分の“想い“というものが絵に込められて、いろんな人のところに旅していくわけですから。
(インタビュー日時:2005年11月21日)

(※1)
最初は平米数幾らという一律な価格体系ですが、画家の販売実績があがると画家本人で価格設定をできる仕組みを導入しています。

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