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画家インタビュー

画家インタビュー

Vol003. いしいなおこ

“上昇気流にのって”“そろそろいこうか”“だん・だん・だん”―
想像を掻き立てるのは作品の「ひと言コメント」。彼女の絵を見た人は「明るさ切なさが同居する」と。そんな絵を描く、いしいなおこさんにお話を伺いました。

いしいさんが絵を描き始めたきっかけを教えてください。
子どもの頃から「紙があれば生きていける!」と思っていたぐらい、絵を描くことが好きだったんです。私はいわゆる“おじいちゃん、おばあちゃん子”だったので、家に遊びに行っては「紙ちょうだい!次は何を描いてほしい?」って催促していましたね。小学校にあがる前から「わたし画家になる!」なんて宣言していたんですよ(笑)。

文章を書いたり、絵を描いたり、物語をつくることが本当に好きだったんです。そこで大学の文学部に進学をして小説家を目指しました。でも、言葉での表現に行き詰まりを感じるようになって・・・。このまま大学に行っていていいのか?わたしは本当はなにがしたいんだろう?と悩んでいた頃、無邪気に表現を楽しんでいた幼い頃の作品をひっぱり出してみたんです。ただピンクのクレヨンで丸を“ぐるぐるぐるー”って描いたものだったんですけどね、それを眺めていて、思わず手を触れたら、指先にピンクのクレヨンの色がはっきりついたんです。20年もの時を経て。そこで色彩っていいな、と思いました。その後、悩みつつも、ふいに1本の色鉛筆が目に焼きついて。そこで腹が決まり、「もう一度絵を描こう!」と決心しました。

そして大学を中退し、セツ・モードセミナーに。そこで改めて絵を描くことに目覚めたと思います。2年間通ったあと、日本工学院のアート科に進みました。それからずっと個人的にアート活動を続けています。
アートメーターのことは、どこで知って、なぜ応募しようと?
仕事を辞めて「絵でやっていきたい」と強く思うようになって、インターネットで「絵 持ち込み」と検索をしてみたら、アートメーターが・・・。コンセプトに共鳴できるものがあって応募しました。

みんな平等に値段がつく「測り売り」はいいなと。アマチュアでも、プロとおなじように絵に値段がつくということは、今現在の自分でも、作品を世に出すことができますから。そこで利益が生まれれば、画材を増やすことだってできるわけです。

そして、アマチュアの人にも「画家」という名をつけてくれたこと。自分の作品を広く発信する場所を与えてもらったこと。これも大きな応募の理由です。絵を長く続けるためのサポートと自信をくれる場所だと思いました。

以前友人と展示会をしたときに「売ってくれいないか?」と声をかけられた経験もあり、手元に置いておくよりも、私の絵をほしいと思ってくれる方に持っていてもらいたいな、って考えていたんですね。私の場合、人にあげるために絵を描くことが多いんですよ。
いしいさんの作品には一貫したテーマがあるんですよね。
はい。「虹のはじまり・雨のさかいめ」です。
なぜ、そのテーマに?

rainbow boots

絵には思いきり自分の感情が出ます。でも、自分の感情は、いつもマイペースなわけではない。時には怒りや悲しみといった感情が強いこともありますよ。そういう時に描いた絵は自分でも不快です。20歳ぐらいの頃は気持ちの揺れも大きかったので、感情の赴くままに描いていましたね。でも「いい絵って何だろう?」と長く模索し続けて、26歳になった今、人に見てもらいたくなる明るい絵、元気になる絵、プラスの気持ちになる絵を描きたいと思うようになりました。ただの明るさではなく、怒りや悲しみを越えたところにある、曇天のような感情を突き抜けて生まれる「明るさ」のある絵。だから「虹のはじまり・雨のさかいめ」が私のテーマなんです。

実はこのテーマには、もうひとつエピソードがあるんですよ。

小さい頃に家族で旅行に行った帰り道でした。私は車の後ろの窓にのりだし、遠ざかる風景を眺めていたんです。ぱらついていた雨がやんだかな、というとき、のびてゆくまっすぐな道にくっきり「雨のさかいめ」を見たんです。つまりアスファルトが、濡れているところ、乾いているところに分かれていたんですね。「おかあさん、“雨のさかいめ”だよ、見て見て!」って言ったんだけど、誰も信じてくれなくて・・・。小さいときの記憶だから曖昧にはなっているかもしれませんけど(笑)。この話、人に聞かせたのは初めてかも!
その記憶がいしいさんのテーマの礎になっているのかもしれませんね。ところで、いしいさんの絵は、メッセージのようなフレーズがはいっていますよね。そしてクレヨンを使ったあたたかな色合いが特徴でしょうか。そこへのこだわりは?
フィーリングで感じた言葉を絵の一部として入れるのが習慣にはなっていますね。漫画を描いたり、小説を書いたりもしているからかな。ストーリー性のあるものを描きたいと思います。コンスタントではありませんが、たまに絵本も描いているんです。

そして、いまよく使っている画材はクレヨンとアクリルと水彩です。でも、本当は描けるものがあれば、色が出れば何でもいいんです。そして絵自体に触れることが好きだから、指でこすりながら描くことも多いですね。
普段の制作活動の場所は?

台所がアトリエ

台所!
実は4ヶ月前に入籍しまして、いま主婦なんです。だから、夕飯をつくってから、台所に新聞紙をガッと広げて、絵の具をガッと持ってきて。そして描き始める。そんな生活です。
今後はどのような活動をしていきたいですか?
絵には自分の心や生き方が反映しますから、絵を描きながら日々をちゃんと生きていきたい。人間として成長していきたい。

そして、まだ具体的にはなっていませんが、絵や音楽、あらゆるアート活動をする人たちをつなげる拠点を立ち上げたいと思います。パイプ役でありながらも、もちろん自分も発信できるような活動拠点です。みんなにもっとアートを身近に感じてもらうための活動をしていきたいですね。

「午後のうみかぜ」
絵画タイトル午後のうみかぜ
ひとことそろそろいこうか

夏の夕方が、せまってくる気配。ともに夏のおわりのにおいがする。くり返しくり返しすぎてゆく夏は、だれもつかまえられない。そろそろ、ここをでようか。

「Dance !!」
絵画タイトルDance !!
ひとことすき!それがすべて

わきあがるような気持ち、自分の鼓動、リズム。じぶんに正直なきもちでだいすきなことをしているだけ。そんな姿って、とてもきれい。

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