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ajisai 
あじさいの花の右下部分です。上から下に流れ落ちるような淡い色彩は、重力/引力です。あじさいの花だけを紙に写し取ろうとしても、咲いているその場所から引き離すのではなく、その場に働く力/余韻も残しておきたいのです。 
あじさいの花の右上部分です。葉から背景の白に溶け込むカタチは、必ずしも葉のカタチをなぞるのではなく、所によっては唐突に抽象的なカタチをとります。それはあじさいにかかる光や風、水滴の作用が複雑に重なる中のある一瞬を、切り取ってみたかったのです。 
あじさいの花の左部分です。よく見ると、花の輪郭の鉛筆の線が透けて見えます。いくつも重なる線が花に揺らぎと密度を与え、そこから解き放たれるようにして、葉のイロのグラデーションが広がります。水彩の水の斑紋が広がりに奥行きを与えます。
紫陽花の色が、雨に流れるイメージです。
額紫陽花の花びらと葉が、雨に濡れている様子を描きながら、自然に背景が消えていきました。その白地に溶け込む緑、黄色、紫に、ひととき心ゆだねてみる。この絵には、そんな気にさせるところがあります。