煩悩を携えて、無漏に足を進める。 無漏という言葉に出会った時に、この作品を描いた。無漏はまさしくこの煩悩という意味的・音声的にも重々しい言葉の対義語である。何故この出会いに反して相反する意味の言葉をモティーフに描いたかといえば、それは単純であった。私には無漏という境地を想像して表現するほどの知識も経験も思考もなかったからである。最低限として無漏を知らない人間であることに詮索は必要なかった。そこで私は経験してきた煩悩に力を借りて創造力への転換を試みたのだ。己の人生で味わった怒りも悲しみも妬み嫉みも欲望もすべてポケットの中にある。
煩悩に苛まれて粗末に扱うと、祟ります。